清原絵画教室 主宰あいさつ

 

平成29年(2017年)6月29日(木)

清原絵画教室主宰・講師 清原健彦

 

 

 

 

 

■美術という海 

            

  私は、平成3年(1991年)から美術の世界で生きてきました。25歳からの26年間を、いわば「美術という海」の上で過ごしてきたことになります。

 

 私は美術が好きです。その中では美しいものがさらに美しくなり、美しくないものが美しいものに変わります。それは日常に陶酔をもたらします。人の抱く狂気や呪詛や醜さを、作品の中で魅力的なものに変換します。あるいは人を夢から覚醒させ、変革と衝撃をもたらします。美術には哲学や科学にも勝る、人を動かす力があります。「美」は、人の心を射抜く力において「理」よりも強く、根源的な部分を突き刺すのです。

  

 「美術の海」は豊穣の海です。そこには人生を賭けるに足るものがあります。美術表現は魂の叫びであり、あらゆる思いを投じることのできる伝達手段であります。私は20代の頃、絵を翼だと思って描いていました。理想郷でなくていい、ここよりましなところに連れて行ってくれ、と祈りながら。それは飛んでいき、恵みをもたらしました。それは人生を切り開く武器になるのです。でも本当に大切なのは結果ではなく、希望を乗せる翼があるということです。

 

 美術、特に絵画表現は、あなたの住む世界を輝かせます。描くことによって観察力を獲得し、違った視点で世界を見るようになるからです。周囲に新しい輝きを見つけることは、宝石を持つことよりも豊かなことかもしれません。

 

 美術は、世界中のあらゆる人々を結びつけます。女優、漁師、軍人、犯罪者、聖職者…なぜか人を結びつけます。いやな人もあなたの絵が心に響けば一目置く、不思議な力があります。時間という縦軸、空間という横軸において、美術は多くの人を結びつけるのです。素敵な事だと思いませんか?

 

 そんな「美術の海」に船頭(ナビ=航海士)としてあなたをお連れし、航海の手ほどきをし、援助するのが私の仕事です。清原絵画教室という船に乗って私たちとともに絵を描きませんか?一緒に豊穣の海を旅しましょう。

 

 

 

■私にとって清原絵画教室とは

 

 清原絵画教室は平成14年(2002年)に発足しました。

 

 最初は家庭教師でした。最初の日に「対象物をよく見て、ゆっくり一筆描きのように描いてみてください」と助言したところ、素晴らしいドローイング(線描、素描)を描かれました。私は手応えを感じ、チラシを撒いて自宅で教室を始めました。一人、二人…とお見えなりました。募集をかけ、それに応えて人が来るという経験は初めてで、実に嬉しいことでした。そしてその多くは初心者で、私は「描けない」とおっしゃる人たちに「対象物をよく見て、ゆっくり一筆描きのように描いてみてください」を推し進めました。出来栄えはやはり驚くべきものでした。このときの「描けない」人を「描ける」人に引き上げることができた喜びは、私に強い希望をもらしました。それは恩寵のようでした。恩赦と言ってもいい。「誰かの役に立つことができる」「自分のスキルを活かす場がある」という実感がどれほどうれしいものであったか…無名の絵描き(実際は絵描きというアイデンティティすらなく、自覚は一介のフリーターです)には、いったい自分の所業が誰かを喜ばせることなどあるのだろうか、という苦悶があります。「趣味道楽で、好き勝手な生活をして…」という声がする。追いかけてくる。それを救ってくれたのが、生徒さんだったのです。この体験が私の原動力になり、清原絵画教室は始まりました。

  

 それから少しずつ生徒さんは増えてゆき、数年後には80名近くが在籍する規模になりました。教室はくつろぎの場として、サービス業として拡張しました。6つの教室の中から時間と場所を選べるシステム、2時間2000円のキャッシュオンデリバリー方式(のちにチケット制に移行)といった便利さを前に出し、もてなしを重視しました。私は18歳から神戸オリエンタルホテルを出発点に、東京、小豆島リゾートなど、色々な土地のホテルやレストランの給仕係として10年以上働き、ミシュラン三ツ星のフランス料理店で、料理長の仕事を間近で見る日々もあったのですが、そうした経験から、絵画を料理に見立てた「絵画技術を供するくろぎ空間」をやってみようと思い、それを続けたのです。それはある程度成功したと思います。

 

 しかし最初の原動力となった技術の歓喜は、接客サービスの中に埋もれて影をひそめていきました。振り返ればコア・コンセプト(核となる考え方)の確立がなされておらず、向上への道筋から離れ、サービス事業の色合いを濃くしていったと言えます。芸術の探求と廉価なサービス業を融合させるのは容易ではありませんでした。私は「サービス業を前に出す限り、向上に導くには限界がある」と考えるに至りました。美術をサービスや福祉に活用する意義はあるのですが、それらは探究や向上とは目指すベクトル(方向性)が違う。これは考え直そうと思いました。向上の喜びが枯渇していることは、もはや無視できない影となっていたのです。そして平成29年4月、初めて教室の目的と方針を掲げたのでした。

 

目的

清原絵画教室の目的を、すぐれた美術家の育成とします

指導方針

1.   美術家として遇します

2.  実践を重視します

3.  対話による意思疎通を尊重します

4.意識(考え方)、感性(感じ方)、技術(やり方)の向上を目指します 

5.純粋美術に重きを置き、応用美術と娯楽は二義的と考えます

6.絵画を主たるメディア(表現媒体)とします

7.相互扶助の精神と仲間意識を大切にします

 

 美術家とはアーティストのことですが、ここでは職業ではなく生き方を表しています。この教室にたどり着いたらあなたはもうアーティストですよ、階段を昇って「すぐれた」アーティストになりましょう、私はそれを助けます、と申し上げたいのです。

 

 教室はくつろぎの場から学びの場に変わりました。技術のラインナップを増やし、美術の現場や歴史、言説を紹介し、意識啓発に注力し、美術家を「すぐれた」美術家に育てる場にしました。チケット制を月謝制にし、会員制にしました。そしてその結果、かえって以前よりも和気あいあいとした雰囲気が強くなったのです。生徒と講師が、志と問題意識を共有する仲間になったからだと思います。

今は時々、この指導という仕事は画家の仕事より価値があるかも?と思います。美しいものを生み出す「人」を生むのですから。

 

 私にとって清原絵画教室は、船のようなものです。冒険の海へ乗り出す船です。かつては遊覧船でしたが、私はそれを探検船に改造しました。そして船は舵を切り、理想郷の探索を始めました。この船は練習生(生徒)を募集しています。遊覧船のような快適さはないかもしれませんが、ここには浪漫があります。習得できる技術は高く、航路は刺激的なものです。そしてこの船の経験が、独り立ちに役立つようなものであってほしいと願っています。練習生を一人前の海の男(女)にする、そんな経験です。

 

 

 

 

■美術家という生き方のすすめ

 

 当教室の目的は、「すぐれた」美術家の育成です。

 

 一人前になる早道は、美術家(アーティスト)になってしまうことです。憧れる存在になりきった時こそ、最も力が発揮されるということです。これは一流トレーナー、指導者が一様に述べていることで、私も、生徒作品展に参加してから、目覚ましく上達する生徒を何人も見てきました。しかしここでの焦点は、出品ではなく、展覧会場に立つ体験の方なのです。これが実践の意義です。下手でも、センスがなくても、考え方が稚拙でも、「私はアーティスト」と堂々と名乗り、旗を掲げ、名乗りを上げる。それこそが最も高度な能力であり、もうすでに表現なのです。ロックン・ローラーはそう高くない技術で斬りこみ、人の心をつかみますが、美術も同じです。いや、美術こそがそれを歓迎する最高の舞台なのです。

 

 描けるようになりたいな、と思ったなら、まずは「私はアーティスト」を実践してみてください。たとえばちょっと素敵な画材を持ってみる、それを自分の部屋に飾ってみる、それを持って日帰り旅行に出かけてみる、といったことです。形から入るのです。それは思考の訓練です。そして下手でもでたらめでも、思った通りに描けばいいのです。大切なのは自覚を持つこと、それになりきることです。そして分からないときは書籍やインターネットなどで調べ、解決策を見つけ、展覧会を見て学ぶのです。

 

 けれども一人ではうまくいかないこともあるでしょう。個人差もあります。その時は教室や学校に行くのもいいと思います。実際、なりきることが難しい場合はあり、そこで「技術」「感受性」「思考」を高める方策、つまり美術指導が要請されます。しかしくり返しますが、これは自覚を高めるためです。アイデンティティを得るために、「技術」「感受性」「思考」を獲得するのだと思ってください。

 

 清原絵画教室はこれに対応し、①ナビ(誘導)、②メソッド(指導プログラム)、③実践の場、④情報知識を用意し、支援しています。当教室には多くのゲームがあり、そのいくつかはあなたを手助けする方法になるでしょう。教室をおおいに利用してください。そして人生に美を集めていただければ大変うれしく思います。 

 

 「美術の海」にあなたをお連れし、航海の手ほどきをし、援助するのが私の仕事です。清原絵画教室という船に乗って私たちとともに絵を描きませんか?一緒に豊穣の海を旅しましょう。

 

お待ちしています。 

 

ご入会までの流れ

 

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主宰自己紹介